サスティナブルとファッションの未来
最近、雑誌やメディアでよく目にするようになった『サスティナブル』という言葉があります。
この言葉にはどんな意味があるのでしょうか?
そして、ファッションが果たすべきことの先にどんな未来があるのでしょうか?
今、世界が目指している行動指針の話を交えながら、ファッション業界の未来を考えてみました。
世界が掲げる『サスティナブル』と『SDGs』
『サスティナブル(sustainable)』とは【 持続可能である様 】のことを言います。地球環境を保全しつつ持続が可能な産業や開発についてのことを指します。
そして『SDGs』とは(Sustainable Development Goals)の略称で【 持続可能な開発目標 】のことを指します。
この目標は、2015年の国連サミットで採択されたもので、国連に加盟している193ヵ国が、2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。その内容は、17項目の目標と169のターゲットで構成されています。
ものすごく簡単な解釈をすると、掲げた目標に対して世界が一丸となり、地球環境を考慮しながら、持続可能な産業を生み出し、共に成長していきましょうという試みです。この目標に則った上で、今後の社会活動の舵がきられていきますよという指針でもあるということです。
2020年4月——
世界の経済活動が止まったことにより、空気汚染が改善されたという報告や、人間が屋外での活動を自粛を余儀なくされたことにより、野生動物の行動に変化がみられたという報告がありました。
人間も、地球という生命体の中に生きる生物の一員であり、全ての生物はその生態系の中で、絶妙なバランスをとりながら生きています。そのバランスを保ちながら共に成長していくために、サスティナブルという概念が、この先の未来において、非常に重要なテーマになってくるというわけです。
ファッション業界におけるサスティナブルとは
ファッション業界が地球環境へ与えている状況
華やかなイメージのあるファッション業界ですが、その背景は決して華やかなものだけではありません。
現実として、ファッション産業はCO2の排出量が全世界の10%を占め、大量の水資源を消費する【 世界で2番目の環境汚染産業 】であるという事実があります。(ちなみに1位は石油産業です。)
近年は、ファストファッションの台頭で、より安くモノを手に入れられる時代になりました。しかし、大量生産することによって単価を下げるというその仕組み上、売れずに残った在庫は大量に廃棄されているというのが実状です。(全体の85%の衣類が毎年埋め立て処分されているという報告があります。)
このままの状況では、サスティナブルとは無縁の世界になってしまい、業界自体が時代に大きく取り残されてしまいます。
環境に配慮したモノづくり
この現状を受け、ここ数年で多くのブランドがサスティナブルをテーマに様々な取り組みを進めています。
- リサイクル
- アップサイクル
- アニマルフリー
- フェアトレード
- オーガニックコットン
それぞれの取り組みについては、また別の記事で詳しく紹介したいと思いますが、この取り組みをパフォーマンスとして取り入れるのではなく、各ブランドが本質を捉えた取り組みをしてほしいと強く思います。
例えば、市場でのオーガニックコットンの反応が良いから、更に生産量を増やしてプッシュしていこうという話では、その本質を捉えていません。
今の消費者は、そういう部分を非常に冷静に見ていて、その反応も非常にシビアなので、表面的な取り組みはすぐに見抜かれます。
本質的な意味で、持続可能なファッションとは何なのかを考えるべきタイミングがきているということです。
新しい価値軸でのファッション
例えば今後、ファッション業界にVR(仮想空間)・AR(拡張現実)の導入が進む可能性もあります。物理的な制約から解放されるので、環境の問題が大幅に改善される可能性があるからです。
しかし、そういった発言をすると「そんなものはファッションとは呼ばない」と真っ先に言われてしまうのが、ファッション業界の実情であり、最大の弱点であると思っています。
『ファッショントレンド』というものを見つけ出し、『時代の最先端』提案している業界であるはずなのに、マクロな視点で見てみると、『トレンド』や『モノ』ばかりに追われすぎていて、それを『取り巻く環境の最先端』には全く追いつけていないという、非常に矛盾していて不思議な世界だなと感じます。
同時に、新しい価値軸でのファッションというものを、いかに構築していけるかが、今後業界が生き残っていくための鍵ではないかと考えています。
自動車で例えれば、ガソリンという石油資源に代わる、電気や水を使った自動車の開発が進んでいるように、繊維やファッションの産業も、今後変わっていかなければならないのです。
まとめ:サスティナブルとファッションの未来
- 世界は持続可能な産業の開発にシフトしている
- ファッション業界は世界で2番目の環境汚染産業
- ファッションにおいても新たな価値観の構築が必要とされている時代である
本日はここまで。
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