スーツの歴史

FASHION History

今まで、女性ならではの文化とされていたものが少しずつ薄れ、男女差がなくなってきている現代。

特に最近は、男性のメイクや美容などが、何かと話題ですよね。

本日のテーマは、ジェンダーフリー社会における男の最後の砦。『スーツ』の歴史について解説していこうと思います。

この記事を読んでいただければ、スーツの歴史を知れるだけでなく、スーツへの敬意が生まれ、その着こなしに大きな差が出てくることでしょう。

歴史から見るスーツの定義

現代のスーツスタイルの定義

現代においてのスーツスタイルとは、『同色・同素材でできた、襟つきのジャケットにスラックス。場合によってはヴェス卜を合わせ、長袖シャツに首からタイを結び下げるというスタイル』のことをいいます。

もっと端的に言えば『同色・同素材でできた上下揃いの服』です。

実際に、私自身も上記の様に端的に説明してしまうことが多いのですが、スーツ歴史を紐解いていくと、どうやら『互いに関連を持たせたワンセットの服』という認識の方が正しいようです。

例えば、現代も略礼服として使われる『ディレクターズスーツ』は黒のジャケットに、黒とグレーの縦縞のスラックスというお馴染みのスタイルです。これは、上下で同色・同素材でないにも関わらず『スーツ』と呼ばれていますよね。

つまり、本来は互いに関連を持たせたワンセットの服のことであり、現代は同色・同素材でできた上下揃いの服として、簡略化されて使われている言葉ということになります。

スーツスタイル誕生の歴史

イギリスで生まれたスーツスタイルの原型

17世紀――
ときのイギリス国王チャールズ二世がこんな衣服改革宣言をしたという記録が残されています。

「余は新しい衣装一式を採用することにした。この衣装は、もう変えることはない」

この時に採用された衣服こそ、今のスーツスタイルの原型であるという説です。

もちろん、現代の形やシルエットとはかけ離れたものではありますが、タブレットに半ズボン、ホーズにカツラという時代に決別を告げる宣言となったわけです。

この時代のファッションについては『ファッションと音楽家の歴史』の記事で解説しているので、併せてご覧ください。

スーツの祖先

ラウンジスーツの誕生

現代のような上下揃いの生地で作られたスーツの直接の祖先は、19世紀に誕生した『ラウンジスーツ』だと言われています。

このラウンジスーツは、袋(sack)のようにゆったりとした上着の意味を含んでおり、いわゆる貴族が非公式な場で着用した『寛ぎ服』だったわけです。

現代から見ると「スーツが寛ぎ服?」と感じるかもしれませんが、当時は体にフィットした『イブニングコート(燕尾服)』を着ていた時代です。

ラウンジのソファーで寛ぐには燕尾服の尾(tale)が邪魔だったわけですね。この尾をなくし、フィット感もゆったりさせることで、家族や友人と寛ぐときのカジュアル・ウェアとして定着していきました。

そして、このラウンジスーツの前に存在したものが『フロックコート』と呼ばれる宮廷服とは別に、カントリーで暮らす貴族たちがアウトドア・スポーツを楽しむときに着た上着です。

『日中はフロックコート。夜はイブニングコート』という厳格なドレスコードが決められていた時代からラウンジスーツへ変化し、そのラウンジスーツから現代のスーツへと変化しながら、スーツスタイルは脈々と受け継がれてきているものなのです。

今後はどのように変化していくのか、楽しみでもありますね。

まとめ:スーツの歴史

  • スーツスタイルの誕生はイギリスにあり
  • スーツの祖先は寛ぎ服である『ラウンジスーツ』
  • スーツとは、互いに関連を持たせたワンセットの服のことである

世の中のカジュアル化が進み、着る機会が減ってきているスーツだからこそ、着るときはキチンと着こなしたいものですよね。

ルーツを知ることで敬意が生まれ、その敬意が自然と着こなしにも現れるものです。

そして、スーツの歴史を辿ると、ひとつの記事ではとても書ききれないくらいの歴史が存在します。

今後、少しずつ解説していく予定なので、楽しみにしていて下さいね。

本日はここまで。

この記事の内容の一部は、以下の書籍を参考にしております。更に詳しく知りたいという方は是非読んでみて下さいね。

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