『イギリス最大の英雄』ネルソンとファッションの歴史

FASHION History

以前『皇帝』ナポレオンとファッションの歴史について解説しました。

今週はそれに続く内容とも言えるナポレオンの『宿敵』ホレーショ・ネルソンについての記事です。

ナポレオンを語るのであれば、この人物の存在を語らずにはいられません。

ナポレオンとネルソンってどんな関わりがあるの?
ネルソンがファッションに与えた影響って?

こんな疑問にお答えします。

この記事を読んでいただければ、ナポレオンとネルソンの関係性や、ネルソンと英国海軍が現代のファッションに与えた影響が見えてくるはずです。

ナポレオンの『宿敵』ネルソン提督

『皇帝』ナポレオンの野望を打ち砕いた男。ホレーショ・ネルソン。

彼はどんな人物だったのでしょうか。

ホレーショ・ネルソンは、ナポレオン戦争で活躍したイギリスの海軍提督で、トラファルガー海戦でナポレオンに勝利した『イギリス最大の英雄』とも呼ばれる人物です。

では、彼もナポレオンのように、その権力で様々なものを流行させ、現代までのファッション史に影響を及ぼしてきたのでしょうか。

彼の功績を追いながら、解説していきましょう。

トラファルガー海戦とネルソン

1805年――
スペインのトラファルガー岬の沖で行われたナポレオン戦争最大の海戦である『トラファルガー海戦

当時のネルソンが、このトラファルガー海戦で着用したとされる制服が、濃紺の無地の生地に左右の折り返し襟、袖口には金色の刺繍、錨マークの入った金ボタンというものでした。

イギリスの海軍は、1588年に英仏海峡で行われた海戦の総称である『アルマダ海戦』でスペイン艦隊に勝利して以来、第一次世界大戦中のデンマークのジュットランド半島沖で行われた『ジュットランド海戦』までの約300年間に渡って世界の海を支配し続けてきました。

その結果、英国海軍が着ていたネイビーブルーの制服は世界の海軍のスタンダードになっていったのです。

そして、その海軍制服のスタンダードは、現代のファッションにも多大な影響を与えています。

現在でもいわゆる『ジャケパンスタイル』と呼ばれる、ジャケットとスラックスのスタイルはネイビーのジャケットがコーディネートの基本となっていますよね。

これは、ここからの流れからきているもので、点ではなく線で繋がっているものなのです。

ネルソンとセーラー服

ネルソンが制定したという水兵用の制帽に『ボーダー』というものがあります。ボートに乗る人たちのという意味です。

これは、硬い麦わら帽で海洋の暑い日差しの中で作業する水兵たちの健康を考え、ネルソンが防暑装備として支給を命じたものと言われています。

また、四角い大きな襟をもつ『セーラー服』も、ネルソンが水兵用の制服として導入したものという説があります。

しかし、これは残念なことに明確な根拠がない話のようです。

このセーラー服の襟に関して言えば、マストに登った水兵が、命令やお互いの声がよく聞こえるように、大きな襟を立て、お互いの声を聞き取るように工夫したというのが起源だとされています。

ブレザーのルーツ『ブレザー号』

19世紀――
英国海軍フリゲート艦ブレザー号(小型護衛艦)が、ヴィクトリア女王の観閲を受けるにあたって、当時の艦長が乗員の衣服を統一することにしました。そこで採用されたのが、現代で言う『Pコート』型のジャケット。

そもそもPコートというのは、ナポレオンジャケットと同様に、右前・左前どちらにも前合わせができるような仕様になっていました。これは、強い雨風にさらされる、マストの上という環境の中で、それに対応するものとして生まれたものです。

現代でも、ネイビージャケット(特にダブルブレストのネイビージャケット)を『ブレザー』と呼ぶのは、ここに由来があるわけです。

まとめ:『イギリス最大の英雄』ネルソンとファッションの歴史

ナポレオン最大のライバルであったホレーショ・ネルソン。

彼のファッションスタイルや、部下への思いやりで生まれたものが、英国海軍全体に影響し、それが全世界の海軍のスタンダードに。

そして、それが現在にまで繋がっているという歴史を知ると、やはりナポレオンもネルソンも、ファッション史に名を残す偉大な人物であると言えますよね。

彼らは今、現代のファッションを見て、何を思っているのでしょうか。

本日はここまで。

この記事の内容の一部は、以下の書籍を参考にしております。更に詳しく知りたいという方は、是非読んでみて下さいね。

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