ファッションと音楽家の歴史
突然ですが…
少しだけ思い出してみて下さい。
学生時代、誰もが音楽室で見たことがあるであろう、あの偉大な音楽家達の肖像画。
夜の音楽室に行くと、その目が動くなんて噂があったような…
なかったような…
ちょっと不気味な印象がある、音楽家たちの肖像画ですが、実はファッション史を読み解く上で、大変貴重な資料でもあるのです。
この記事では『ファッションと音楽家の歴史』について解説したいと思います。
あの偉大な音楽家達の肖像画と、ファッションにどのような関係があるのか。
この記事を読んでいただければ、ファッション史を理解するだけでなく、偉大な音楽家たちが生きた時代背景と、その生き方を知るきっかけになるはずです。
音楽家とファッションの関係性
音楽家の肖像画はその時代を表す象徴である
音楽家とファッションには、どのような関係があるのでしょうか。
音楽家は王族ではありませんが、宮廷や教会に出入りするため著名であり、現代の世界に例えて言えば、芸能人のような存在だったと言えます。
つまり、その時代の流行のスタイルを取り入れた、大変影響力のある存在であるということです。
それぞれの時代の音楽家の肖像画に残るファッションスタイルを読み解くことで、当時の流行や、時代の流れを知ることができるのです。
音楽家の肖像画に見るファッションの特徴
3人の偉大な音楽家
『クラシック音楽の黄金期』とされる、誰もが一度は見たことであろう3人の偉大な有名音楽家とともに、その時代のファッションの特徴を紹介したいと思います。
バッハ( Johann Sebastian Bach|1685 – 1750 )
18世紀のドイツで活躍した作曲家・音楽家である。 バロック音楽の重要な作曲家の一人で、鍵盤楽器の演奏家としても高名であり、当時から即興演奏の大家として知られていた。バッハ研究者の見解では、バッハはバロック音楽の最後尾に位置する作曲家としてそれまでの音楽を集大成したとも評価されるが、後世には、西洋音楽の基礎を構築した作曲家であり音楽の源流であるとも捉えられ、日本の音楽教育では「音楽の父」と称された。
出典:Wikipediaより
バッハの肖像画を見ると、襟なしでボタンが多いゆったりとした上着を身に着け、首元にはネクタイの原型とされるクラヴァット、半ズボンにホーズ(膝上まである靴下)というスタイリング。そして頭には白い髪粉をつけたカツラが特徴的です。
このカツラはフランスの国王であるルイ十三世が自分の髪が薄くなったことを気にして流行させたものと言われています。
モーツァルト( Wolfgang Amadeus Mozart|1756 – 1791 )
オーストリアの音楽家。ハイドン、ベートーヴェンと並んで古典派音楽、ウィーン古典派を代表する一人である。
出典:Wikipediaより
モーツァルトが生きた時代は、ちょうどフランス革命に入っていく時代でした。
幼いころのモーツァルトは、襟なしのジャケットにクラヴァット、頭にはクルクルに巻いた白いカツラ、下半身は半ズボンに白いホーズ。バッハの肖像画と似たような宮廷衣装の肖像画が残っています。
ところが、晩年に描かれた横顔の肖像画では、大きな襟を立てた燕尾服のような上着を着て、一気に印象が変わっています。
この肖像画からも、フランス革命によって男性の服装が変化していく予兆が読み取れます。
ベートーヴェン( Ludwig van Beethoven|1770 – 1827 )
ドイツの作曲家、ピアニスト。音楽史上極めて重要な作曲家の一人であり、日本では「楽聖」とも呼ばれる。その作品は古典派音楽の集大成かつロマン派音楽の先駆けとされ、後世の音楽家たちに多大な影響を与えた。
出典:Wikipediaより
ベートーヴェンの時代になると、すでにカツラは被っていません。彼の髪は非常にフサフサなのでカツラと勘違いされそうですが、地毛のようです。
カツラはフランス革命の後、宮廷での風習が廃れると共に欧州での習慣から廃れていきました。そして、半ズボンも貴族趣味としてフランス革命以降廃れ、長ズボンが主流となっていきます。
この3人の偉大な音楽家の生没年を見ると、17世紀後半から19世紀初頭の時代にバッハ → モーツァルト → ベートーヴェンと、まるで先人のバトンを継ぐように登場していることが分かります。
そして、それぞれの音楽のスタイルとともに、ファッションスタイルも、この時代の中で移り変わっていっていることを、それぞれの肖像画が物語ってくれています。
まとめ:ファッションと音楽家の歴史
- 過去の音楽家は現代のインフルエンサー
- 音楽家の肖像画から当時の流行が読み取れる
- 音楽とファッションの関係性は深い
音楽というのは、この後も様々な部分でファッションに影響を与えていくことになります。今後、さらに的を絞って解説していきたいと思っております。
本日はここまで。
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